診療内容
対象となる代表的なこころの病気
双極性障害(躁うつ病)
「双極性障害(躁うつ病)」と「うつ病」は違う病気です。
双極性障害は気分が高まったり落ち込んだり、躁状態とうつ状態を繰り返す病気です。
双極性障害はかつて「躁うつ病」といわれていました。そのため「うつ病」の一種と誤解されがちでしたが、この二つは異なる病気で、治療法も異なります。そのため医師は、長期的に診察を継続しながら鑑別を進めていきます。
双極性障害(躁うつ病)の症状
「激しい躁状態とうつ状態のある双極Ⅰ型」と、「軽い躁状態(軽躁状態)とうつ状態のある双極Ⅱ型」があります。
躁状態とうつ状態の間隔は、数ヶ月だったり数年だったりさまざまです。
躁状態から突然うつ状態へと切り替わる場合もあります。
うつ状態で受診した患者さんが、その後、躁状態を発症してはじめて双極性障害と診断されることもあります。
ご本 人はうつ状態しか経験していないと思っていても“実は軽い躁状態を何度も経験していた”ということもあり、この場合も双極性障害に含まれます。一般に、うつ状態の期間のほうが長く続く傾向があります。
躁状態
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気分が高まり元気になった気がする
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寝なくても元気
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話しつづける、やたらと声をかける
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怒りっぽくなる、暴言を吐いてしまう
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人の意見に耳を貸さない、偉くなったような気になる
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買い物やギャンブルにお金をつかってしまう
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周りの人から「○○さんらしくない」「元気すぎる」と思われるような状態
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性的奔放
など
うつ状態
うつ病と同様の症状が現れます。
躁状態の時の自分に対する自己嫌悪も加わり、さらにつらい気持ちになってしまうことがあります。
双極性障害(躁うつ病)の治療方法
双極性障害は早期に適切な治療を開始すれば、症状をコントロールしながらあなたらしい生活を送ることができる病気です。
薬物療法
双極性障害の治療は、うつ状態、躁状態、維持期(再発予防)で使用薬剤を調整します。一番大切なことは、ご自身の病気を理解し、適切な治療を継続することです。
●躁状態の薬物療法
気分安定薬の使用が中心となります。気分安定薬のみで効果が不十分な場合、補助的に抗精神病薬を使用する場合があります。
●うつ状態の薬物療法
気分安定薬の使用が中心となります。
双極性障害のうつ状態に対して使用する薬は、うつ病の時に使う抗うつ薬とは違います。
●維持期(再発予防)
双極性障害は再発率が高い病気です。そのため、気分安定薬の使用による再発予防が大切です。補助的に抗精神病薬を使用する場合があります。
精神療法
薬物療法と併用しての精神療法は、治療を順調に進める上でも効果的です。患者さんご本人が病気を受け入れ、自ら病気をコントロールすることをサポートしていきます。
双極性障害(躁うつ病)の診断書
診断書をご希望の場合は、ご来院時に受付にお申し出ください。
診察を行った上で必要と判断した場合は、初診でも診断書を発行いたします。